交通事故のケガQ&A

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数日前、運転中に後ろから追突されました。その後、肩がこったり手がしびれたりするのですが、どんなことが考えられますか?

運転中、ドライバーは後ろからの車の接近に気づかないので、首の筋肉はリラックスしています。そこに、突然後ろから大きな力が働くことで、首が勢いよく後ろにのけぞります。さらに、この反動によって、重い頭を振り子として前に曲ります(図1)。

その結果、首の骨(頚椎)および筋、靭帯、椎間板、神経などの軟らかい部分が痛んでいることが考えられます。首からは肩および腕、手、胸、背中、後頭部へ伸びる神経が出ていますが、これらの神経に障害が出ると、それぞれの部位にしびれや痛み、力が入らないなどの症状が認められます。

また、交感神経などが痛むと、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気、眼痛などの自覚症状を訴えることも多く認められます。さらに、脊髄に影響が及べば足のしびれや排尿・排便障害なども認められます。

追突事故に限らず首のケガをした場合、このような症状が出たら気をつけてください。

首のケガをした場合どうすればよいですか?

首に強い痛みがあり、手足のマヒなどを訴える重症な場合は、むやみに動かさず安静にし、すぐ医療機関に相談しましょう。また、比較的軽症であっても必ず医師の診察を早期に受けましょう。

首のレントゲンをとることで骨折や脱臼はもちろん、首の骨の配列の乱れなどを確認することが出来ます。

健康な方の場合、首の骨の側面像は前方に緩やかなカーブを描きますが、追突の衝撃により、骨の並び方がまっすぐになったり、後ろヘカーブしていることがよく認められます。また、今まで知らなかった年齢による変化(図2)が確認でき、今後気をつけなければならない姿勢や行動のとり方もわかります。

どのような治療をするのですか?

軽症であればまずは、安静療法を行います。初期治療が正しければ、殆どの症例は短期間に治ります。ケガをした初期では、とにかく首の安静が大切ですが、痛みやこりに対しては痛み止めの薬や筋肉のこりをほぐす薬などで対応します。痛みが強く首が動かない場合は、頚椎カラーで固定します(図3)。ただし、いたずらに長く使い続けると首周囲の筋肉がやせ、かえって痛みがとれなくなる可能性があるため注意が必要です。

急性期では、牽引はしない方がよいでしょう。慢性期では、消炎鎮痛処置や症状に応じた牽引(図4)、ブロック注射等を行います。手足のマヒが強い重症例に関しては、まず入院・安静の必要があり、MRI検査にて神経損傷など確認し、手術などの適応となることもあります。

いずれにせよ、首のケガは初期治療が大切で、素人考えで誤った処置がなされると一生後悔することもあります。一刻も早く医師の診察を受けましょう。

シートベルトを着けず交通事故に遭った場合どんなケガをしやすいですか?

頚椎捻挫(鞭打ち症)はもちろんのことダッシュボード外傷、ハンドル外傷などが挙げられます。

ダッシュボード外傷とは?

正面衝突した場合などに、膝や下腿がダッシュボードにぶつかります①。膝蓋骨、下腿骨の骨折から始まり、さらにその力が及んで大腿骨骨折、股関節脱臼、骨盤骨折などに至ります。また同時に顔をダッシュボードや計器類にぶつけ顔面外傷を引き起こします。鼻を骨折することが多いようです。

いずれにせよ、首のケガは初期治療が大切で、素人考えで誤った処置がなされると一生後悔することもあります。一刻も早く医師の診察を受けましょう。

ハンドル外傷とは?

これも正面衝突した場合にハンドルで胸部、上腹部を強打して生じる外傷②で、ほとんどが皮下(内臓)の鈍的外傷です。胸部では、肋骨骨折や肺損傷、心損傷が。腹部では肝臓、すい臓、十二指腸の損傷が生じやすく、重要な臓器損傷のため重症となります。またこの際フロントガラスに顔をぶつけたときに生じるガラスの破片は、散弾銃の弾を撃ち込まれたように顔に食い込むという特徴があります(フロントガラス外傷)③。

これらのような外傷発生を軽減する目的でシートベルトの常時着用が義務づけられています。さらに近年エアバッグが開発され、最近の死亡事故減少に効果を上げていると言われています。

シートベルトをつけてさえすれば安心ですね。

それも油断大敵です。シートベルトが緩んでいたり、腹部にかかっていたりするとシートベルトが腹部に食い込み内臓損傷をおこしたりすることもあります。 またシートの背もたれを極端に寝かせていると、衝突時に体がシートベルトの下をくぐりぬけるサブマリン現象が発生し、シートベルトが体幹や頚部に食い込むこともあります。

どのような点に気をつければよいですか?

正しい装着のポイントとして

シートベルトを骨盤に巻きつけるようにしっかり締める。

軽く引っ張っても緩みがないことを確認する。
シートの背もたれを寝かせ過ぎないようにする。

特に妊婦さんは、大きくなった腹部をベルトが横切らないように気をつけましょう。

妊婦さんの正しいシートベルトの着用法