ヘバーデン結節、リウマチについて
はせべ院長
上記の症状でお悩みの方から
よくいただくご質問にお答えします。
 
はせべ医院 院長

以前より私の母が指の第1関節が腫れて痛いと言っているのですが、リウマチではないかと思うと心配です。大丈夫でしょうか?

指の第1関節(DIP関節)が腫れる病気は多数存在します。なかでも代表的なものでは、中高年期の女性に多く認められるヘバーデン結節と呼ばれる手指の変形性関節症が挙げられます(図1)。原因はまだはっきりしていないのですが更年期以降の女性に多く見られる病気です。指の第1関節の腫れ、痛み、発赤、熱感、動きの制限などが出現します。また水ぶくれのような症状(ミューカスシスト)も伴うこともあります(図2)。

どのように診断されるのでしょうか?

問診をとり、前述のような所見があればまずレントゲンを撮ってみます。ヘバーデン結節の場合、指の第1関節の軟骨の存在しているすき間が狭くなっていたり(図3)、骨のとげが出っ張っていたり、関節がずれていたりする所見が認められます。血液検査をすることでリウマチなどの病気と識別することも可能です。

治療法はどのようなものですか?

腫れや痛みの軽いものにたいしては、湿布・塗り薬などを使い安静に努めていただきます。痛みが強い場合は副木を当て固定したりしますが、レントゲンでみて軟骨が消失し痛みが激しく日常生活に長く影善を及ぼす場合に対しては手術をすることもあります。ヘバーデン結節の多くは数年で進行が止まり痛みは落ち済くのですが、実際には指のゴツゴツした感じは残存してしまいます。しかし、指の第2関節(PIP関節)、第3関節(MP関節)は侵されない場合が多いので手が極端に使いにくくなる事は少ないように思います。

リウマチとの違いを教えてください。

リウマチは「自己免疫疾患」と呼ばれる疾病の―つです。自己免疫疾患とは、免疫機能(体のなかに侵入してきた細菌やウィルスなどを外敵と認識し攻撃する仕組み)に異常が生じ自分の体を外敵とみなして攻撃する病気です。リウマチでは、その異常な免疫機能のために、指の関節にも攻撃してしまうことがあります。リウマチの場合指の炎症所見は第1関節のみならず、第2関節、第3関節にも出現します(図4)。そのためヘバーデン結節よりも手全体の動きは悪くなり日常生活上、より制限が出現します。朝、両手のこわばり感があったり、膝や肩など他の関節に痛みや腫れなどの症状が複数出たり、血液検査で炎症反応やリウマチ因子が出た場合、医師は総合的な判断のもとにリウマチの診断を下し、その症状に合わせ治療を進めます。