手首の骨折、とう骨下端骨折について
はせべ院長
上記の症状でお悩みの方から
よくいただくご質問にお答えします。
 
はせべ医院 院長

私の祖母が転んで手首が腫れてしまいました。どんな怪我が考えられますか?

まずレントゲンを撮ってみたほうがよいのですが、とう骨下端骨折が最も考えられます。腕の骨は親指側の方の「とう骨」という骨と小指側の尺骨という2本の骨からなります。転んだ際、とう骨の下の方に大きな力が加わり骨が折れてしまうのです。

大きな腫れ、スプーン状の変形、手の痺れなどの症状が認められます。特にお年寄りの女性に多く、骨粗しょう症の強い方が受傷されやすいようです。

橈骨遠位端骨折


手首の強い痛みがあり、短時間のうちに腫れてきます。時に、変形がみられます。指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定で反対側の手で支える必要があります。


転んで手をついて、痛み・腫れがでたような場合には骨折が疑われます。診断にはX線検査が必要です。


骨折のズレは手を引っ張ったりなどして、もとの形近くに戻します。ギプスなどの固定をします。ギプス固定中であっても手指はつとめて動かすようにします。ギプス固定をしてもまたズレてきてしまう場合には、手術的療法(創外固定など)が必要になります。

怪我をしてしまったらどうすればよろしいですか?

まず家庭で緊急にできることは、腕を副木(幅5センチ×長さ30センチ位。ダンボールの切れ端でよい)で固定し、やや高めに挙げ(三角巾でつっておいてもよい)氷嚢を当て冷やしておいてください。そしてなるべく早く近くの医療機関に連絡をとり、整形外科医の診察をうけましょう。なぜなら、ずれた骨は早ければ早いほど元に戻しやすいからです。時間が経ちすぎると正しい位置に戻せなくなり後遺症となる可能性が大きくなります。熟練した整形外科医に整復固定術をして頂きましょう。

それでも骨を上手く戻せなかった場合は手術になることもあります。骨は一ヶ月位で固くなりますが、固定を数週間すると、同時に関節が固くなり使いにくくなってしまうのでさらにリハビリが必要です。医師や理学療法士の指導を受け、一刻も早く生活に戻れるよう頑張りましょう。