ワールドシリーズで大谷選手が肩関節を外してしまいました。肩関節は非常に不安定な関節で、大きな外力が急にかかると、上腕骨の骨頭が「関節唇」と呼ばれる土手のような部分を壊したり、「関節包」と呼ばれる骨頭を包む袋が破れて外れてしまうことがあります。完全に外れた場合は「肩関節脱臼」、外れてすぐ戻った場合は「亜脱臼」と呼びます。 いずれの場合も、「徒手整復」により骨頭を戻した後しばらく安静を保ち、関節の周りの筋肉を鍛えて再発を防ぎます。それでも痛みが残って肩の機能が回復しなかったり、関節が外れやすくなった場合には、手術が適応となることがあります。報道によると、大谷選手の場合は最近早期に内視鏡による手術が行われ、破損した関節唇を修復することになり事なきを得たようです。来春の開幕には投手として活躍が期待できるということです。 肩が外れた際には、早急に整形外科を受診してください。まず整復をしてもらい、その後は3週間ほどの固定が大切です。元に戻ったからと安心してしまい、この時期をおろそかにしてしまう方が多いです。 痛みが残ったり、動きがぎこちなくなる場合には、肩の専門医に相談し、エコーやMRI検査を受けることが大切です。適切な検査と治療を行えば、必ず回復する可能性が高いです。
手の痛みケガ